会社を知るCompany

伝統はイノベーションの連続で
つくられている。
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代表取締役社長 鈴木 博

Origin

原点

子供時代の原風景の中にある

優れた漁港を持ち、醸造文化が盛んな愛知県で生まれ育った鈴木社長。学生の頃から、好きなことで起業したいと決めていた。
実は子供の頃の思い出が、現在の道を後押ししている。今ではほとんど見かけることのない風景。「昔、祖母が七輪でうなぎを焼いてくれたんですよね」。
うちわでいぶされる煙に、たまり醤油のこうばしい香りと音…。そのおいしさは今でも忘れることはないという。

名古屋めしの名脇役でもある醸造調味料「たまり醤油」に「みりん」、そして「備長炭」。
ひつまぶし備長のおいしいを支えている源が子供の頃の原風景にあった。
絆や愛情とともに世代を越え、地域の和食文化を継承していく。
“ひつまぶし備長”が大切にしているビジネスの原点でもある。

ひつまぶし備長ロゴ 写真

会社名の「備長」は、うなぎを焼き上げる時に使用する「備長炭」から由来し、ロゴマークデザインのオレンジ色は、炭の燃え上がった時の色を表している。

備長炭だから、表面はカリっと香ばしく、内部は輻射熱でジューシーにふっくらと焼き上げることができる。

そこに、濃厚な旨味成分を含む備長オリジナルのたまり醤油とみりんをまとわせれば、こうばしい香りに包まれ、おいしいは頂点に達する。

Strategy

戦略

名古屋の食文化「ひつまぶし」を
全国ブランドへ

「大学を卒業後、老舗うなぎ屋の門を叩きました。最初は不思議がられましたけど(笑)」。大卒は採用しないと断られたこともあったが、九州で、そして名古屋の老舗で10年間修行を積んだ。
後に、株式会社備長を設立し本店をオープン。2005年、名古屋三越ラシック「ひつまぶし名古屋備長」を皮切りに東京、大阪、博多へ、多くの人が集いやすい商業施設に店舗を展開。うなぎ専門店として日本一の店舗数を有している。

「日本には多くの優れた伝統文化がありますが、とてい制度や高齢化社会といった背景から、技術継承が難しい状況にあります。私が修行時代、うなぎ職人もそうだと痛感しました。匠の技術を経験測やカンではなく理論値で定量化させ、誰もが短期間で高い品質を担保できるようにする。当社では次へつないでいくためのスキームと環境づくりに力を入れています」。

次世代リーダーを一人でも多く育成することが、伝統文化を全国ブランドへと成長させ、備長の成長へとつながっている。

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Vision

未来

持続可能にする開発と、
世界への発信

「人財育成はもちろん、伝統文化の継承で考えなければならないのが自然資源であるうなぎの保全。
備長はうなぎ専門店として生産者とともに持続可能なうなぎの開発に向き合う必要があるという。
「現在、流通している養殖うなぎは、天然のシラスウナギを養殖しているため完全養殖ではありません。そこを人工で卵のふ化から行う完全養殖の開発で環境負荷を減らし、経済合理性のある安定供給が可能になれば、業界全体の価値向上も図れると考えています」。
さらに、最近では日本のうなぎ料理と海外のエンドマーケットとのコラボレーションによる新たなブランド開発にも挑戦している。
「歴史と伝統に新しいアプローチを乗算させ、イノベーションを図ることで日本の伝統文化の未来を創出する。そのためにも若い人財の活躍に期待しています」。

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